週の所定労働時間の違い

 クリニックの特徴的なところは、土曜日を診療日にしているクリニックが多いが、一般的には土曜日は午前中のみ診療にしているクリニックが多い。それに伴いいろいろな決めるべき項目が出てくる

土曜日の所定労働時間が例えば9時から13時までとして場合、13時以降に残って業務をしたらどうするのかということである。このときに、明確に月給に対応する労働時間を決めておくとスムーズである。月給に対応する労働時間を

月曜日 9時~13時 15時~18時 7時間
火曜日 9時~13時 15時~18時 7時間
水曜日 9時~13時 15時~18時 7時間

金曜日 9時~13時 15時~18時 7時間
土曜日 9時~13時         4時間

といった具合に決めておくと、土曜日は4時間を超えた場合に所定外手当を支給すればいい。他の曜日は7時間を超えた場合に所定外手当を支給する。所定外手当は時給換算の1倍単価でいいが、8時間超の場合は当然1.25倍の時間外手当が必要である。

1ヶ月単位の変形労働時間制も

1ヶ月単位の変形労働時間制は、就業規則の記載のみで導入できるので導入しやすいものである。また1週平均40時間に設定し、土曜日の早帰り分を平日の所定労働時間を延ばすこともできるので、きちんと理解し、従業員に説明して導入するとクリニックには合っている制度である。

1週40時間の法定労働時間は、常時10人未満の労働者を使用する、商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業(特例事業といいます)では、1週44時間に緩和されている。クリニックもこれに含まれる。ただし、1日8時間の労働時間とする原則は変わらない。

【商業】 卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、その他の商業
【映画・演劇業】 映画の映写、演劇、その他興業の事業
【保健衛生業】 病院、診療所、社会福祉施設、浴場業、その他の保健衛生業
【接客娯楽業】 旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業

この1週44時間の特例と1ヶ月単位の労働時間制を組み合わせることで、残業時間の削減は可能です。しかし所定労働時間を週40時間から、週44時間にするということは、単純に1週4時間分の賃金を支給することになります。これをやらないで、月給はそのままで所定労働時間だけを週40時間から週44時間に変更して、残業ができる提案してくるコンサルタントが多いので注意してください。

よくあるトラブル

看護師不足で院長がかつての勤務先の病院を辞める看護師に、自分のクリニックに来てもらうというのは、よくある話しである。このときに「病院と同じ条件で、、、、」と口約束をしてしまうと、トラブルに素になるので注意が必要である。病院とクリニックでの違いは主に以下の通りある。

病院クリニック備考
社会保険共済や協会けんぽなど5人未満は社会保険の義務がない
又は医師国保
医師国保は事業主負担がない。
また傷病手当金や出産手当金もない。
保険料が定額なので看護師にとっても安く感じるが、
事務員にとっては高く感じるケースが多い
所定労働時間1週40時間土曜日が半日なので40時間満たない場合も月給を前職と同じ分だけ保障した場合で、
土曜日午後の勤務がないと、従業員からすると
時給単価が上がったことになるが、経営者すると
納得できない場合もある。
昇給昇格賃金等級表などがあるケースが多い等級表はほとんどない
昇給はするが昇格はほとんどない
クリニックだと、毎年、数千円の昇給はあるかもしれないが
クリニックには昇格はほとんどない。つまり婦長や
副病院長などのポストがないため、大きく賃金が上がる
ことがない。
退職金あるケースが多いほとんどない