労働災害のリスク等を洗い出し、災害防止に必要な遵守事項を明記します

第56条 (遵守事項)

1 会社は、労働者の安全衛生の確保及び改善を図り、快適な職場の形成のために必要な措置を講ずる。 

2 労働者は、安全衛生に関する法令及び会社の指示を守り、会社と協力して労働災害の防止に努めなければならない。 

3 労働者は安全衛生の確保のため、特に下記の事項を遵守しなければならない。  
 ① 機械設備、工具等の就業前点検を徹底すること。また、異常を認めたときは、速やかに会社に報告し、指示に従うこと。
 ② 安全装置を取り外したり、その効力を失わせるようなことはしないこと。
 ③ 保護具の着用が必要な作業については、必ず着用すること。
 ④ 20歳未満の者は、喫煙可能な場所には立ち入らないこと。
 ⑤ 受動喫煙を望まない者を喫煙可能な場所に連れて行かないこと。
 ⑥ 立入禁止又は通行禁止区域には立ち入らないこと。
 ⑦ 常に整理整頓に努め、通路、避難口又は消火設備のある所に物品を置かないこと。
 ⑧ 火災等非常災害の発生を発見したときは、直ちに臨機の措置をとり、______に報告し、その指示に従うこと。

条文の目的・存在理由

安全衛生に関する事項は、相対的必要記載事項です。
しかし、安全衛生に無縁の事業はほとんどないことから、実務上は記載必須です。
したがって、自社における労働災害のリスク等を洗い出し、災害防止に必要な遵守事項を明記する必要があります。

なお労働安全衛生法には下記の通り、事業者と労働者の責務を明らかにしています。(太字は筆者による)

労働安全衛生法
第3条 (事業者、設計者等、注文者等の責務について)
1 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。

 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。

 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。

第4条 (労働者の責務について)
労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。

リスク

当該条文にリスクはありません。

しかし、上記モデル条文第3項④⑤にあるように喫煙に関する事項が、自社の就業規則に明記されているか確認する必要があります。
2020年4月1日より改正健康増進法が全面施行され、多くの人が利用する屋内施設において、喫煙は原則禁止となりました。
ただし、専用の喫煙室を設けることで喫煙可能とされています。

更にこの改正によって、

・20歳未満の者には、喫煙室の清掃含め、立ち入りをさせていけないこと
・受動喫煙を望まない者を、喫煙専用スペースに連れて行かないこと

が、職場内ルールとして必要になりました。

したがって、会社としては、改正法に則った物理的な措置を講じるだけでなく、就業規則等を利用して周知啓発活動をする必要があるでしょう。
下記は厚生労働省作成のWebサイトです。

『なくそう!受動喫煙Webサイト』 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/

改善案

改善案はありません。

参考判例

参考判例はありません。
しかし、就業規則に直接の関連はないものの、労働災害をめぐって会社側の安全配慮義務違反が問われた判例は多数存在します。

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