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就業規則の閲覧を求められたらまず見せましょう
そもそも、就業規則の周知は労働基準法第106条1項に「使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則を、(中略)常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める」と明確に定められています。従って、従業員から就業規則の閲覧を求められた際には、速やかに公開されることが求められます。
しかしながら、会社によっては就業規則が社内のネットワークで公開されていないことや、紙ベースの就業規則の保管場所が周知されていないことがあります。特に中小零細企業においては人事部門(労務担当者)が設置されていないことや、経営者自身が就業規則についてきちんと把握していないケースが目立ちます。就業規則は常に従業員が閲覧できる状態にしておかなければなりません。経営者のデスクや管理部門のキャビネットに保管されているような状態は「周知されていない」という状態にあたりますので注意が必要です。
従業員への閲覧方法
それでは、就業規則を従業員に周知させ、いつでも閲覧可能な状態にするためには、どのような方法があるのでしょうか?典型的な手法は以下の2つです。
入社時(新卒採用・中途採用)に就業規則を配付する
新卒・中途採用問わず入社時には就業規則を直接説明することが理想的です。入社時には雇用契約書の授受、社員登録などの事務手続が発生します。このタイミングで紙ベースの就業規則を配付することで、新入社員は早い段階から就業規則に目を通すことが可能です。但し、紙ベースの就業規則は、就業規則に改定が生じた際に陳腐化してしまうことに留意しましょう。
社内イントラネット、共有フォルダ内に就業規則を格納する
多くの企業においては、社内のイントラネット、ネットワーク上の共有フォルダ内に就業規則を保存しています。そのため、従業員はネットワークに接続できる環境であれば、いつでも就業規則を閲覧することができます。就業規則の変更についても臨機応変に対応ができます。各事業所での掲示、休憩室なでに冊子を設置する方法もありますが、紙ベースの就業規則よりも合理的な閲覧方法と言えるでしょう。但し、就業規則が雇用形態別、規定項目別にPDFファイルなどで多数保管されている場合、従業員が「知りたい」情報へアクセスするまでに時間がかかってしまう点に留意しましょう。
就業規則閲覧に関する注意事項
常に最新版の就業規則を閲覧してもらう
入社時に、紙やデータで就業規則を配布するところは多くあります。ただし、改訂の時に配布が漏れてしまうことがほとんどで、これだと最新のものを共有していることになりません。最低限、最新版の就業規則が交付された日付については社内で共有されるべきです。
従業員の誤った解釈を防止するためにFAQを設ける
就業規則の文章はわかりづらく、解釈も受け取る人にまかされて、都合のいいように解釈されてしまいがちです。そのため、従業員に対して就業規則を説明する機会は必要ですし、就業規則の付録にFAQを設けることも効果的です。
すべての雇用形態の就業規則を閲覧可能にする
就業規則は、通常、正社員・契約社員・アルバイトなどの雇用形態別に作成されます。この点、法律上はすべての雇用形態の就業規則の閲覧権が求められています。たとえば、契約社員が正社員の就業規則を閲覧できない場合、周知義務に違反する恐れが生じてしまいます。
「同一労動同一賃金」の観点からも、多くの企業で同一労働同一賃金ルールに則った就業規則や賃金規定の改定が必要となっています。
退職者からの就業規則閲覧請求
就業規則の周知義務の対象は、あくまでも在職中の従業員です。ですので、退職者から就業規則の閲覧を求められた場合は、必ずしも開示をする必要はありません。ただし、就業規則を巡って退職者と係争関係が生じた場合は開示をする必要がでてきます。
『スマホで就業規則』の導入で経営課題を解決
「そもそも就業規則を見たことがない」
「改訂版が多すぎて、どれが最新版なのかが分からない」
「従業員から就業規則の質問をされても分からない」
中小零細・ベンチャー企業の経営者からはこうした声をよく耳にします。こうした課題を解決できる手法として「スマホで就業規則」の導入をおススメします。「スマホで就業規則」の特徴は以下の4点です。
- 社内ネットワーク(イントラネット)で閲覧するためセキュリティ面でも安心
- PDFやWordではなくHP上でテキストデータを閲覧できるため見やすい
- 最新版の就業規則を常時公開できる
- 従業員にURLを公開しておくだけで法令上の周知義務を完全にクリアできる
- 就業規則のFAQをアップデートすることで誤った解釈を未然に防止できる
今後は、就業規則のオンライン化、ホームページ化、スマホ化が当たり前の世の中になると考えられます。導入をご検討されたい方は、是非ともサンプル動画をご確認ください。
就業規則に関するご相談は当協会へ!
今回は就業規則を従業員に周知する方法についてお話してきました。
就業規則は、従業員の方々に周知して初めて意味をなします。就業規則は「有休・育休」などの法律で守られている制度から会社独自の規則まで多岐に渡ります。就業規則が健全に運用されるためには、就業規則そのものが従業員に周知されていることが必須なのです。
日本就業規則診断士協会では、就業規則にかかわるサポートはもちろんのこと、経営者の“代弁者”となってフォローする体制を整えています。具体的には、ミッションとビジョンを盛り込んだ就業規則にしていくことを一緒に考えていくのが特徴です。
具体的なサービス範囲は下記の通りです。
・就業規則や人事労務全般についての相談
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